トレードの合間に聴いた落語を一日一席ずつ紹介していきます。

柳家喬太郎  橋の婚礼


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※「橋の婚礼」は収録されていません。
橋の婚礼(はしのこんれい)
●架けかえの終わった両国橋の開橋式に、橋に縁ある人が呼ばれていて、橋本 の旦那もその一人だ。 名前に橋があるだけでなく、庭にお稲荷さんを二つ祀 ってあり、間に橋を架けて信心している。 どうしても開橋式に行きたい主人 公は、頼み込んで橋本の旦那のお供として連れて行ってもらう。 開橋式だけ でなく、吾妻橋との婚礼なのだった。 「先だっては夢の中で有難う」と橋本 さんに挨拶する、ごく軽い人が神様で、橋本さんはほうぼうの橋の接待役、受 付係を仰せつかっている。
  橋は人間に姿を変えて、やって来る。 自分が来てもいいのかと、さかんに 悩んでいるのが「思案橋」、疑問に思う意味がわからない、どうしてどうしてな のと「言問橋」、あごのヒゲをなでて来る「白髭橋」は、目が悪くなって手を引 いてもらわないとと言う、お供しましょうと「眼鏡橋」。 お公家さんの恰好で 「千早ふる…」と来る方に、誰かと訊けば「マロは業平橋」。 料理番が「俎(ま ないた)橋」で、(大阪弁で)兄(あに)さん忘れ物と、新しい菜箸を届けてく るのが「心斎橋」。 芸者は新橋、柳橋から総揚げ。
 するってえと、巨大な橋が花嫁衣裳でやって来る。 吾妻橋だ。 そのまま の姿で、両国橋と合体する。 古典落語に合体というのは合わないけれど…。  飲めや歌えの、どんちゃん騒ぎとなる。 嫁の吾妻橋が酔っ払っちまった。 ど てんと倒れて、川沿いに寝てしまう。 寝込んでも大丈夫か。 ご心配なく、 そばに「枕橋」がひかえています、という落ち。
(http://kbaba.asablo.jp/blog/2007/01/07/1097713より転載)

東京三宅坂国立劇場、「落語研究会」。
これは聞いたことのないネタだと思って聞いていると、マクラで、喬太郎自身がこれは初代三遊亭圓遊作の落語で、速記から掘りおこしたものだと語った。ははあ、してみると、『口演速記 明治大正落語集成』に入っているかと思って繙いたものが下記。

◇初代三遊亭圓遊「橋の婚礼」(『口演速記 明治大正落語集成』第六巻)。
「文藝倶楽部」十一巻一号、明治38(1905)年1月1日。
もちろん、このようなネタだから、『増補 落語事典』にも川戸貞吉『落語大百科』にも収録はなし。たぶん明治に圓遊が演って以来、約百年ぶりに喬太郎が復活させたものと考えられよう。

吾妻橋と両国橋が結婚するという噺。しかし、こんなナンセンス落語が明治にもあったとは。鼻の圓遊と言われた芸風が偲ばれる。
そもそも喬太郎の「橋の婚礼」を聞けば、ただただ初代圓遊のものをなぞって演っているのではないとわかるが、事実この速記を読んでみると、かなり喬太郎流にかえているなということがわかった。
細部いくつかの展開がふまえられているのと、落げの「枕橋がついております」だけはオリジナルのままである。それにしても、喬太郎は熱心だ。
(http://yaplog.jp/chilurin0223/archive/1328より転載)

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