トレードの合間に聴いた落語を一日一席ずつ紹介していきます。

柳家喬太郎  オトミ酸


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※「オトミ酸」は収録されていません。
オトミ酸(おとみさん)
●またしても物知りのご隠居のところにモノを訊きに来た八五郎。「オマエ、よくモノを聞きに来るな」「ご隠居、こないだの業平の歌、教わったまんま発表したら、ウチの娘、成績下がりっぱなしで」「あ、信じたのか!」「娘の学校、懐メロが流行っちゃって、今『お富さん』が流行ってるんですよ」「どんな学校だ」「それで『お富さん』の歌詞のわけ聞こうと思って」「ハードル上がったなぁ! 千早で一杯いっぱいだぞ!」

「江戸っ子の好きなものといえば祭りだな。江戸八百八町の中でも威勢がいいことで知られる黒兵衛さんという人が、毎年、荒神(こうしん)、つまり荒い神を祭って神輿(みこし)の先棒かついでワッショイ、ワッショイとやってたんだが、ある年、具合が悪くてウチでグッタリしていた。すると、そこへ源ちゃんが来た」 ご隠居は話し続ける。

「黒兵衛は『源ちゃん今年はダメだよ』と言うが、『何言ってるんだよ、町内の神輿がかわいそうだよ』と源ちゃん。『神輿に心があるのか』『あるんだよ! みんな待ってるんだよ!』と源ちゃんに言われて黒兵衛は起き上がり、ダラダラ汗をかいてやって来た。『死んでもいいや!』と神輿担いでワッショイとやってたら元気になったって話だ」

「祭りに付き物の振る舞い酒、こいつを飲んで酔っ払った黒兵衛さんは荒い神の裏のほうへフラフラと来ちまった。まだ病気で酔いも廻った黒兵衛さんは裏っ手の社務所の縁側でグッタリしていると、南蛮人が身につけるというガーターベルトが落っこってる。それをみて首をひねり、クンクンと匂いをかいでいると、『ああ…』とか『イヤ』とか淫靡な声が…中へ入ってみると掛け軸の向こうに抜け穴があって、『ピシッ!』『ああ…もっと! やめないで!』なんて声がするではないか」

「何事かと行ってみると、さあ大変、巫女さんたちやら何やらが神主を四つんばいにさせて『ああくすぐったい!』『ねぇ旦那!』『ビシビシッ!』って乱チキ騒ぎだよ。『ちょっと大将! 何です皆さん!?』と黒兵衛さんが入っていくと、中の皆は凍りついたな! で、見ると源ちゃんもいるんだよ。『これはこれは黒兵衛さん』と神主が寄ってくる」「ふんふん」

「神主は『これを見られちゃ生かしちゃおけない。源さん、オマエが始末しな』とドス黒い相談。『ここに南蛮渡来のオトミ酸という毒がある』『オトミ酸』『オートミールというモノによく似ているからオートミール酸、というところから来ているそうだ』 そのオトミ酸なる毒を、源ちゃんが黒兵衛さんに飲ませると、バタッと倒れこむ……」

「と、そのとき、上のほうから『御用だ! 御用だ!』という声が聞こえ、黒兵衛さんはハッと目を覚ました。源ちゃん、友達の黒兵衛さんが生きてて良かったとは思ったが、やったのは自分。掴まってはならじと走って逃げていった。その先には一面の畑。ふと見ると一本の良い竿があり、源さんは昇ってはみたが、結局は落っこちてお縄になった。源ちゃんは『あー、やだな』と言ったという」「へえ」「これが歌詞のワケだ」「へ?」

「わからんか? 行きなよ神輿が待ってるぜ、あだなすガーター荒い神、死んだはずだよオートミー酸、生きていたとは…ちなみにこの『とは』は黒兵衛の本名だ」「おお!」「源ちゃん『おっしゃ』と思ったけど逃げた夏…サマーでも、知らない、ホットケ、ええ竿、源やだなー、という」 と、そこへおかみさんが入ってきて「何言ってるの! バカばっかり言って! あれは歌舞伎から来てるのよ!」「おいおい、横槍を入れるな」「いいえ、横櫛(よこぐし)」でサゲ。

「J亭」二度目の登場となる喬太郎、今日の噺は自作の新作落語『オトミ酸』。『千早ふる』のパロディ的な内容で、自分のすぐ前に誰かが『千早ふる』を演ったときにしか演らないので、滅多に聴くことができない貴重なネタだ。ちなみにこのサゲは『お富与三郎』の別題『与話情浮名横櫛』から来ている。
(http://rakugo.sl.lcomi.ne.jp/ より転載)

「お富さん」歌詞
粋な黒塀 見越しの松に
仇な姿の 洗い髪
死んだ筈だよ お富さん
生きていたとは お釈迦さまでも
知らぬ仏の お富さん
エーサオー 玄治店(げんやだな)
(http://takurou.co-site.jp/ikoi/otomi.html より転載)

休憩あけて、「お富さん」の出囃子で喬太郎が登場するのを観て、家人が「オトミサンか」と呟いた。「千早ふる」という古典落語がありますね。百人一首の和歌に珍解釈をほどこしていくというものだが、あれを春日八郎の名曲「お富さん」でやってしまう、という趣向で、話の歪み具合がいかにも喬太郎らしい。ただ、ここのところ、やや調子の出ない高座が続いているように思え、今日ももうひとつ乗りきれていなかった。忙し過ぎか? 年明けに期待します。
(http://homepage2.nifty.com/Curious-G/starthp/subpage80075.html より転載)

『オトミ酸』をやる喬太郎さんも素晴らしい。
『オトミ酸』は春日八郎「お富さん」の歌詞を説明する話で、つまりは現代版『千早振る』。
普通にやっても面白い話だろうに、絶品の『千早振る』の後にそれを入れ込んでやるんだから面白くない訳がない。
(http://rakugo.jugem.jp/?eid=76 より転載)

『オトミ酸』喬太郎
本来はここで仲入りになるはずが・・・遅れたお詫びにということで
もう1席、ボーナストラックです♪ラッキー
この「オトミ酸」も聴いてみたかった噺なので、行ってよかった!
これって、前に「千早振る」をやる人がいてこそのネタなんでしょうね。
「お富さん」の歌の訳を解説するという改作なんですが、
その歌の訳がもう相当無理やりで・・・。すごいストーリーになっちゃってる。
とてもNHK「日本の話芸」なんかじゃ放映できない内容です。
(まさか学校寄席ではやらないでしょうね)
しかも「生きていたとは」の「とは」で、ちゃんとサゲになってるのがすごい
(http://blog.goo.ne.jp/-wuyue-/e/785b2bd31cd70937d7fae75eeccb1207 より転載)

落語あらすじ事典 千字寄席 千早振る

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