トレードの合間に聴いた落語を一日一席ずつ紹介していきます。

柳家喬太郎  金明竹


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金明竹(きんめいちく)
●与太郎が表を丸く掃除しようとするし、水のまき方が悪いと叱られ、今度は二階の掃除を言い付けられたが、二階の座敷へ水をまくのでまた叱られる。
 今度は店番をしていると、雨が降ってきた。雨宿りの見ず知らずの人にイイ傘を貸すので叱られ、傘を借りに来た人への断り方を教えられる。
 鼠が出たので猫を借りに来たお隣の大宮さんに、「貸し猫はあったが、骨はバラバラ、皮は破れて使い道がないので、縄で縛って裏に放り込んである」。また叱られて、続けて猫の断り方を教えて貰った。
 そこに目利きをして欲しいから、旦那さんは居ないかと使いが来た。「旦那はサカリが来て、とんと家に寄りつかなくなった。たまに帰って来たら、海老の尻尾でも食べたとみえて、ピイピイと垂れ流すので、マタタビをなめさせて寝かしてある」。ビックリして使いは帰ったが、「馬鹿ッ、猫じゃない。恥ずかしいので大和屋さんに行って来ます」と出掛けて行った。
 中橋の加賀屋佐吉から使いが来て、与太郎に、「わてナ、加賀屋佐吉から参じました。
 《はじめ丁寧に》先度(せんど)、仲買いの弥市(やいち)が取り次ぎました道具七品のうち、祐乗(ゆうじょう)光乗(こうじょう)宗乗(そうじょう)三作の三所物(みところもん)。ならびに備前長船(びぜんおさふね)の則光(のりみつ)、四分一(しぶいち)ごしらえ橫谷宗珉(よこやそうみん)小柄(こづか)付きの脇差ナ、あの柄前(つかまえ)は旦那はんが古たがやと言やはったが、あれ埋れ木(うもれぎ)やそうで、木ぃ~が違(ちご)うておりますさかいにナ、念のため、ちょっとお断り申します。
 《だんだんと早口に》次はのんこの茶碗、黄檗山金明竹(おうばくさんきんめいちく)ずんどの花活(はないけ)、古池や蛙とびこむ水の音と申します・・・ありゃ、風羅坊正筆(ふうらぼうしょうひつ)の掛け物、沢庵木庵隠元禅師(たくあん・もくあん・いんげんぜんじ)張りまぜの小屏風(こびょうぶ)、あの屏風はなァもし、わての旦那の檀那寺が兵庫におましてナ、ヘイ、
 《ひどく早口で》その兵庫の坊主の好みます屏風じゃによって、表具にやり、兵庫の坊主の屏風になりますとナ、かよう、お言伝え願いまぁ。」
 早口の関西弁で、まくし立てるので、与太郎にはさっぱりわからない。与太郎が解らないからと、もう一度同じ口上を言わせた。おもしろい乞食が来たとおかみさんに店に来て貰い、二人で聞いたが解らない。「これに小言を言っていたので、良く聞き取れなかった」と、いやがる使いにもう一度同じ口上を言わせたが、早口に言って逃げるように立ち去った。
 そこに旦那が帰ってきた。奥様は与太郎がうつったような言い方になり、思い出しながら言うには、「中橋の加賀屋佐吉さんの仲買の弥一さんとおっしゃる人が、気が違ったから・・・お断りに参られたと・・・。それで、遊女を買ったんです。それが孝女で、掃除が好きで・・・それで、千艘(ぞ)や万艘とか言って遊んでて、それで寸胴切りにしちゃった。タクアンにインゲンマメばかり食べてて、のんこのシャー・・・それで、あの・・・備前の国に親船で行こうと思ったら、兵庫に着いてしまったんです。兵庫にはお寺があって、そこに坊さんがいるんですが、そのぉ・・・後ろに屏風が立ってて、屏風の後ろに坊さんがいるんです。これって何でしょう」。
 「子供がナゾ掛けしているようで、分かんないな~。」、「思い出しました。それで、古池へ飛びこんだんです」 。
 「古池に飛び込んだ? なんだいそりゃ。あの人には、道具七品の手金を預けてあるんだが、買ってかなぁ~?」
 「いいえ、買わず(蛙)でございます」。
(http://ginjo.fc2web.com/113kinmeitiku/kinmeitiku.htmより転載)

つづいて喬太郎。
…喬太郎演じる松公は馬鹿は馬鹿なりにかなり確信犯的にしくじりをしでかす奴で、いくら親戚でもこんなのを店番にする主人の人を見る目こそ疑わしく思えてくるほどだ。だいたい、三人目の、主人を呼びに来た客のときなどは、客が来たことがわかったら主人自ら出てきて応対しろよ、と言いたくなる。
 子供でよくいるでしょう。自分のやっていることの意味がわかっているわけではないが、大人が嫌がったり困ったりすることはわかっていて、それをするのが大好き、という。汚い言葉を使ったり、わざと服を汚したりするあれと、松公は基本的にはおんなじレベルで、年を重ねた分、性根がうす汚れているといったところか。
 後半、上方からの使いがやってきて、超早口かつ専門用語頻出の口上で、留守番の松公とおかみさんをパニックに陥らせる。この口上が今までに聴いた「金明竹」史上最速(私比)で、いかにも「東京の人が聞いた早口の上方言葉」という感じが出ていた。しかも、この使いの男が四回口上を述べるのだが、一回一回、明確に語り分けていて、最初は男にとっての自然なペースで、次に「二度目だからざっとでいいだろう」とますます早口になり、三度目は相手がおかみさんなので合間合間に愛嬌を入れてくる。それでも理解されていないと知り、最後は男の主観としては「噛んで含めるように」、おかみさんからすると「単にゆっくり話しているだけで意味不明」の口上となる。なーるほど。
(http://homepage2.nifty.com/Curious-G/starthp/subpage763.html より転載)

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