トレードの合間に聴いた落語を一日一席ずつ紹介していきます。

柳家小三治 (十代目)  薮入り


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薮入り(やぶいり)
●奉公に出て三年が経ち、初めての宿りの息子を待つ熊さんは、うれしくて寝付けない。
息子が好きだった納豆を買っておけ、刺し身は中とろを二人前、鰻も用意しろと、一晩中騒いで、朝五時には玄関前を掃き掃除。
息子が帰って来たら、お父っつあん!おお息子よ!と抱き合うつもりでいたら、両手をついて「めっきりお寒くなりまして」と挨拶されて、すっかり調子を外してしまった。
まずは風呂に行って身体をきれいにして来いと送り出して、置いて行った財布をふと覗くと、五円札の大金が小さく折り畳まれて三枚も入っていた。奉公人の小遣いにしては多すぎる、よもや盗んだんじゃないかと、風呂から戻った息子をいきなりどやしつける。
息子は、泣きながら説明する。
「ペストが流行るからと鼠を捕って交番に届けて懸賞に当たったんです」
「そうか、うまくやったな、主人大事にしろよ、チュー(忠)のおかげだから」
(http://mengjian.blog104.fc2.com/blog-entry-92.html より転載)

さあて、柳家小三治の二席目『薮入り』だが、小三治にかかると、義務教育制度の推移した歴史から始まる。そこから、明治時代に小学校が出来て、そのころは四年制で、四年たったら奉公に出されたという話になる。「奉公は就職とは違うんです。就職というのは、雇う側が、『こいつは、ある程度使えるな』と思ったら雇う。そこへいくと奉公は使えない者を入れて、一人前に育てる。いわば、昔は福祉社会でしたんですね。また、奉公に出す側でも口減らしになった」 こうして、ここからは奉公に出た者がどういう生活をしていたのかという日常を詳しく語り出す。さらには噺の中で重要な意味を持つ[ねずみとり]の制度について解説を入れてから、ようやく『薮入り』に入るという具合。初めての薮入りで家に帰ってくる息子を思い寝付かれない夜を過ごす父親の姿。何を食べさせてやろうか、どこへ連れていってやろうかと、「なあ、おっかあ」と喋り続ける父親をじっくりと描き出していく。もう、父親の方が子供みたいで、帰ってきた子供がすっかり大人になっているという描写がクッキリと際立っている。息子の財布を覗いて大金が入っているのを、店から盗んできたと勘違いした父親が、息子わ叱りつけると、「これだから貧乏させたくないんだ。おとうさんに(財布)渡すと碌な事ないから」と話す子供はもう充分に奉公によって大人になっている。
こんないい『薮入り』はちょっと聴いた事がない。演目は予め決めないという小三治の『薮入り』に再びめぐり合えるのは、いつのことだろうか?
(http://www5a.biglobe.ne.jp/~detectiv/nama0306.htmより転載)

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