トレードの合間に聴いた落語を一日一席ずつ紹介していきます。

立川志の輔  先用後利


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※「先用後利」は収録されていません。
先用後利(せんようこうり)
●紙屋の分家の番頭さんは、出世の希望があり、商売熱心である。
しかし番頭が不在の時、怪しげな人物が来店し、薬箱を置いて行ったと丁稚の定吉から報告を受ける。
聞いてみると、代金も取らずに、薬箱だけ置いて、六か月後使った分だけ集金するというシステムだという。
番頭はこれを聞いて怪しまずにはいられない。
「店が逃げたり捨ててしまったらどうなる?そんなものは商いではない。」として
きっと訪問者は隠密で、店の秘密を探りに来たか新手の強請りたかりだと断定し、
丁稚たちに、薬箱は物置に放り込んで絶対に使ってはならないと命令する。
三か月たったある日、お得意先の呉服店の近江屋が番頭の不在時に来店したという。
番頭は大きい商いができると喜ぶが、何やら丁稚の様子がおかしい。
問いただしてみると、近江屋の奥さんが来店時に腹痛を起こし、物置にあった薬を使ってしまったという。
番頭はこれを聞いて狼狽、店の秘密を知られるか、大金を強請られるかして、自分は勘当だと嘆く。
近江屋にも、隠密が置いていった薬で、大金を取られる覚悟をしておくよう告げる。

それから三か月ほどたったある日、薬屋が集金に再訪してきた。
覚悟を決めた番頭は、丁稚の亀に、合図をしたら役人を呼んでくるようあらかじめ命令しておく。
近江屋も呼んできた番頭は、代金がどれくらいか相談する。
近江屋は100両くらい想定するが、番頭は、何千両と取られてしまうだろうと予想する。
いよいよ薬屋と対峙し、とうとう薬屋は代金を請求する。
その額何と30文。
30万文両と勘違いした番頭は、丁稚に役人を呼びに走らせるが、話をよく聞いてみると、
本当に30文ポッキリ。
なんでそんなことで商売が成り立つのか問う番頭に、薬屋は富山の殿様前田公の話をする。
それは「先用後利」という商売哲学であった。
その話に感動した番頭と近江屋は、薬を置いてくれそうな店リストを渡すという。
しかしそこへ先ほど呼んだ役人たちが大挙してやってきてしまった。
その時番頭と薬屋は…。

この噺は、舞台は江戸の昔だが、詐欺が横行する現代の姿を映し出していると思う。
人を信じるということは難しくて尊いことだということを教えてくれる。
現代の問題点を、富山の薬売りをテーマに、江戸を背景にして噺を仕立てあげるという
志の輔の作家としての才能が存分に発揮された噺だと思う。
志の輔は当代一の落語家(名人とはちょっと違う)だと個人的に思う。
どんな時でも人を楽しませることを第一に考えている志の輔の醍醐味を
一番感じられるのがPARCOでの志の輔らくごだ。
これからも毎年、志の輔らくごを見に行きたい。
(http://rakugonoblog.blogspot.jp/2015/01/2015117-in-parco-2015.htmlより転載)

中入り後は、すっきりと白い座布団で、北陸新幹線開通のPRに参加した、富山は観光資源に乏しくて、有名な蜃気楼も実は県民はほとんど観たことがない、昨年の落語会でアンケートをとったら「富山と言えば薬売り」だった、と振っておいて新作「先用後利」。
題材はずばり、富山の薬売りだ。留守中に丁稚が勝手に富山の薬売りから薬箱を受け取ったと知った番頭さん。配置薬ビジネスの仕組みを、話がうますぎると疑ったことでドタバタが起きる。本家の評価を気にしてばかりいる番頭の、常識的な小市民キャラが際立つ。2代藩主・前田正甫の江戸城腹痛事件という薬売りの発祥を織り込んでおり、師匠の郷土愛が微笑ましい。大爆笑ではないけれど、安心して楽しめるネタと話術は、この人ならではだ。
(http://coco2.cocolog-nifty.com/coco2stage/2015/01/post-32e0.htmlより転載)

◆立川志の輔「先用後利」(WOWOW『志の輔らくご in PARCO 2015』)。
パルコ劇場、平成26(2014)年1月31日(「志の輔らくご in PARCO 2015」)。
北陸新幹線開通にちなんだということなのか、志の輔の郷里である富山に材をとった落語を創作したということらしい。
「先用後利」とは、第二代富山藩主前田正甫公が創始したとされる、富山の売薬商法の理念を示す言葉で、「用いることを先にし、利益は後から」という意味である。
噺は、そのような「先用後利」の理念を知らない江戸の商家へ、富山の薬売りが置き薬をもってきたところから展開するドタバタ劇の様相を描いたものである。
題材は「先用後利」だが、この噺の主人公である紙問屋の番頭の小心者ぶりを語るところが主題である。落げはちょっとちがう感じにしたほうがよいのではと思われた。
(http://yaplog.jp/chilurin0223/archive/8748より転載)

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